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PTSDシンポジウム2002
報告から
『子ども達のトラウマと教育現場での介入』 |
| 座長:田中究(神戸大学医学部)、奥山真紀子(国立成育医療センター) |
| 【演 題】 |
| ・ |
『大阪教育大学メンタルサポートチームの授業再開までの活動について』
元村直靖(大阪教育大学健康科学講座) |
| ・ |
『大阪教育大学メンタルサポートチームの授業再開後の活動について』
岩切昌宏(大阪教育大学発達人間学講座) |
| ・ |
『桑名空中衝突事故へのトラウマ支援』
鈴木誠(くわな心理相談室) |
| ・ |
『学校管理職の危機管理意識とコラボーレションのあり方』
藤森和美(聖マリアンナ医学研究所) |
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| ■ |
総評: 神戸大学医学部 田中 究 |
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子どものトラウマに関してはその評価、診断、治療、支援態勢など多くの課題がある。本シンポジウムでは特に学校における危機的状況への介入、支援のあり方に重点が置かれて報告と論議が行われた。現在、学校における危機管理について多くの議論がなされているが、危機状況下で何を行い、何が行えるかについての議論はまだまだ十分ではない。こうした中で、本シンポジウムが注目されたのは尤もであろう。今回、報告された危機介入活動がこれらの議論を深めることになると思われる。
元村氏、岩切氏は、2001年6月8日に起こった大阪教育大学附属池田小学校における学童殺傷事件について、メンタルサポートチームの結成からその後のご遺族、教員、児童に対して行った、精神科医の派遣、カウンセラーらの訪問、ホットライン設置などのメンタルケア活動、マスコミや警察への対応など多岐に渡る活動を報告された。
事件直後から授業再開への準備期、授業再開後と時系列に沿って、メンタルサポートチームに求められるものが変化し、チームの活動も変化していく過程が報告された。
鈴木氏からは小学校上空で生じた航空機事故を、子どもたちが目撃した事件について、スクールカウンセラーの立場からの報告がなされた。その中で、事件に対する認識が各部署によって温度差があって、それが迅速な支援を困難にしたことが強調された。
ともに、現在進行中の事例であるが、教育現場で生じた事件・事故に対してどのようにして、どのような支援態勢を作り上げることを作り上げるのかが問われており、そこに大きな関心が寄せられた。こうしたことを踏まえて、藤森氏は現在の学校での危機管理システムの脆弱性について、学校管理者を対象にした調査結果から論じ、今後の危機管理に対しての提言が行われた。
今回は教育現場における危機介入、危機管理について主として討論が行われた。それぞれの現場で多くの課題を抱えて孤軍奮闘にならぬよう、今回の議論が共通の課題として協力していく土台になれば幸いである。また、子どものPTSDについては症状、診断、治療など未知のところも多く、こうした領域での議論もでてくるであろう。来年度以降、さらに討論が深まっていくことが望まれる。
本シンポジウムでの報告は現在進行中のケースであり、フロアとの議論が困難な内容を含むため、座長の権限で報告と事実確認のみの討論とした。ご拝察下されば幸いである。
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