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『学校現場におけるトラウマ
−学校危機支援のあり方について−』 |
| 座長:岩切昌宏(大阪教育大)、藤森和美(聖マリアンナ医学研究所) |
| 【演 題】 |
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『大阪教育大附属池田小事件における児童のPTSDの治療』
山下仰(日生病院) |
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『学校における緊急支援について−福岡県臨床心理士会の試み−』
向笠章子(福岡県臨床心理士会・聖マリア病院) |
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『心のケアをめざした小・中学校連携
−不登校児童生徒の事例を中心にして−』
中野澄(寝屋川市教育委員会) |
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| ■ |
総評 大阪教育大学 岩切昌宏
「学校現場におけるトラウマ−学校危機支援のあり方について」 |
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山下氏は、H13年6月に大阪教育大学附属池田小学校で起こった殺傷事件によるPTSDの低年齢児童5人について、経過を示しながら子どものPTSD症状や問題点について説明し、治療としてリマインダーのコントロール、安全な環境での能動性や積極性の回復などをあげた。また小学校に出向き、メンタルサポートチームや教師たちに理解しにくい子どもたちの症状を解説し、意見交換をすすめていったことや、小学校自身がマンパワー(副担任やメンタルサポートチーム)を導入し、子どもたちのケアにあたったことが治療を援助するものになったことを述べた。具体的には親同伴の登校、適度な依存や退行の容認、本人の意思の尊重などを小学校にも協力して進めていった。そして2年弱経った現在でも注意して子どもたちの様子を見ておかないといけないことを述べた。
向笠氏は、福岡県臨床心理士会が教育委員会とタイアップして行っている学校における緊急支援の試みについて発表した。福岡県臨床心理士会はスクールカウンセラー活用調査事業の開始以来、教育臨床委員会を設置し、教育事務所(教育委員会)と密接な係わり合いを持っていく中で、独自の緊急支援システムを築いていった。教育事務所(教育委員会)の中に臨床心理士をスーパーバイザーとして所属させ、学校が緊急支援を望んだ場合、教育事務所(教育委員会)を通じて福岡県臨床心理士会から緊急支援チームを派遣するシステムを作った。緊急支援プログラムの内容としては、教職員全体研修の実施や児童・生徒対象プログラムの実施、保護者会の実施などが含まれており、これらの緊急支援に関して、福岡県臨床心理士会はマニュアルまで作成した。ここに至るまで教育事務所(教育委員会)と長年にわたって連携を深めて、システムが出来上がったことが述べられた。
寝屋川市教育委員会の中野氏は、中長期的な危機支援という点から、トラウマともなりうる不登校について発表した。特に、教育指導課において、主に不登校での学校対応を通じて小学校と中学校と連携の難しさとその重要性を指摘した。伝達の問題だけでなく、小学校中学校の持つ特性を考えることも必要であり、義務教育9年間というスパンで学校のあり方を考えていくこと、学級担任制から教科担任制の変化の問題だけでなく、学校の居場所作りや、進路指導なども含めて考えていくことが、心の傷を乗り越えるために必要な環境である「魅力ある学校づくり」につながるのではないかと示唆した。
フロアからも活発な意見が出て、実りあるシンポジウムとなった。
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