|
 |
 |
 |
 |
|
 |
| |
PTSDシンポジウム2002
報告から
『業務に関連したトラウマティックストレスとその対応』 |
| 座長: 兵庫教育大学 岩井圭司 |
| 【演 題】 |
| ・ |
救援者としての派遣任務に従事する自衛隊員の精神的ストレスに関する実態調査―海外派遣におけるストレス調査』
沢村岳人(防衛医科大学校 研究センター) |
| ・ |
『災害救援者の被る長期的影響-阪神・淡路大震災で活動した消防隊員の調査から』
加藤寛(兵庫県ヒューマンケア研究機構こころのケア研究所) |
| ・ |
『米国同時多発テロ事件によるエアライン客室乗務員の外傷性ストレス症状とその経過』
飛鳥井望(東京都精神医学総合研究所) |
|
|
 |
|
 |
|
 |
| |
| |
 |
| ■ |
総評: 兵庫教育大学 岩井圭司 |
| |
 |
このセッションでは、業務関連のトラウマティックストレスを扱った3つの演題が発表された。
災害や事故では直接の被害者だけではなく、救援・救助にあたった者も大きな心理的影響を受けることがある。兵庫県ヒューマンケア研究機構こころのケア研究所の加藤寛氏は、「災害救援者の被る長期的影響――阪神・淡路大震災で活動した消防隊員の調査から」と題した発表で、詳細なデータに基づいて救援者に対する心理的ケアの必要性を指摘した。特に、救援者の職業的アイデンティティーに配慮することと、組織全体での対策をはかる
ことが重要であることが強調された。
続く、「救援者としての派遣業務に従事する自衛隊員の精神的ストレスに関する実態調査――海外派遣におけるストレス調査」(防衛医大 沢村武人氏)でも、詳細なデータが示された。イスラエル−シリアの停戦監視のために派遣された自衛隊の隊員たちにおいては、派遣業務時よりも待機時・派遣前訓練期において高いストレスがみいだされた等、興味深い知見が提示され、今後のトラウマティックストレス対策のための重要な示唆となった。
3題目の演題、東京都精神医学総合研究所の飛鳥井望氏による「米国多発テロ事件によ
るエアライン客室乗務員の外傷性ストレス症状とその経過」は、職場のトラウマティックストレスに対するケア的介入の実践報告であった。多くの客室乗務員たちが、犠牲となった同僚に同一化し多くのPTSD症状を発していたところに、「前線治療」の発想に基づいた心理的介入がなされ、時間の経過とともに症状が軽減していくさまが、まさにありありと”再現”された演題であった。
このように、3つの演題はいずれも実証的かつ実践的なものであり、手堅い方法論に裏打ちされたものであった。このことは、ややもすると”理念”や”運動”にながれるきらいをまったくなしとはしなかったこの領域に対して、静かながらも確かなインパクトを与え得たものであったように思う。
当日は、フロアからも多数の質問が出され、活発な質疑応答となった。特に、職場組織における危機管理、およびそのための事前準備に言及した建設的提言が多かったことは、座
長としても心強かった。
|
 |
|