公開日 2026年07月30日
令和8年7月28日に発生した熊本県熊本地方を震源とする地震により亡くなられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げますとともに、負傷された方々、被災されたすべての皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
今もなお、揺れへの不安や、避難生活、生活環境の変化など、落ち着かない状況の中で過ごしておられる方が多くいらっしゃることと存じます。まずは、ご自身とご家族の安全、休息、食事、必要な服薬など「からだ」と「こころ」の健康の維持を優先していただき、どうか無理を重ねることのないよう願っております。
熊本県をはじめとする地域では、2016年の熊本地震を経験された方も少なくありません。余震はとても辛いものであったと思います。今回の地震や繰り返す揺れによって、当時の記憶やつらい気持ちがよみがえる方もいらっしゃるかもしれません。一方で、災害後の心身の反応や回復の歩みは、一人ひとり異なります。不安、眠りにくさ、気持ちの揺れ、物音や揺れへの敏感さなどがみられることがありますが、これらは非常に強い出来事の後に起こり得る反応です。つらい体験について、無理に話したり、気持ちを整理しようとしたりする必要はありません。それぞれの方の感じ方や過ごし方が尊重されることが大切です。
つらさが続くときや、日々の生活に大きな支障が生じているときには、身近な方、地域の相談窓口、保健・医療・福祉の支援者などに相談することも選択肢の一つです。子ども、高齢者、障害や持病のある方、日本語での情報を得にくい方など、支援を必要とする方々に、必要な情報と支援が行き届くことを願っております。
また、被災地で救助、医療、保健、福祉、心理、教育、行政、生活支援、復旧などに携わっておられる皆様に、深い敬意と感謝を申し上げます。ご自身やご家族も被災する中で活動されている方もいらっしゃいます。支援にあたる方々におかれましても、休息を取り、仲間と支え合い、交代できる体制を整えるなど、ご自身の安全と健康を大切にしていただきたいと願っております。
本学会の会員ならびに支援を検討されている専門職の皆様には、被災地域の状況と現地のニーズを尊重し、自治体や関係機関による支援体制と連携した活動をお願いいたします。被災された方に心理的支援を急いで勧めたり、体験を詳しく語るよう求めたりするのではなく、安心できる環境、生活上の支援、正確な情報、人とのつながりを大切にした、息の長い支援が必要と考えます。
日本トラウマティック・ストレス学会は、これまでの災害支援の経験と科学的知見を踏まえ、被災された方々と支援に携わる方々に役立つ情報を、学会ホームページを通じてお届けしてまいります。また、被災地域の声に耳を傾けながら、関係する団体や専門職と連携し、長期的な回復を支えるために学会としてできる取り組みを続けてまいります。
被災された皆様の安全が守られ、安心して過ごせる時間と日常が少しずつ取り戻されますことを、心よりお祈り申し上げます。
令和8年(2026年)7月30日
一般社団法人日本トラウマティック・ストレス学会
会長 高橋 晶
