スクールカウンセラーの方々へ

スクールカウンセラーの方々へ:学校再開に向けての心構え

岩切昌宏、瀧野揚三(大阪教育大学学校安全推進センター)

 

 コロナウイルスに対する学校の対応は地域の状況によってかなり違いがあります。4月からほとんど休校となっているところ、始まっていたのにまた休校になったところ、感染に気をつけながら続いているところがあります。子どもたちは、こういった状況によっても大きく影響を受けています。この緊急事態宣言が全国に拡大されてから、少なくとも連休明けまでは、休校となる市町村は拡大していきそうです。

 

 スクールカウンセラーの方々も学校の休校とともに、休みになっている方も多いかもしれません。一部の子どもたちは、ゲームにも飽きて暇を持て余し、ボーッと過ごしているかもしれません。また、一部の子どもたちは、活発に勉強したり本を読んだり家の手伝いをしたりしているかもしれません。しかし、家に中でけんかが絶えなかったり、食事が十分なかったり、親の言いなりになっていたり、暴力を振るわれたりしている子どもたちもいるかもしれません。学校が再開すると、ほとんどの子どもは、コロナのことを気にしながらも、元気に活動すると思いますが、学校で呆然としていたり、孤立したり、勉強に集中できなくなっている子どもに対して注意が必要です。また、再開早々、かなりハイテンションだったり、問題行動を起こしたりする子どもも、休み中にストレスを抱えていたのかもしれません。教員たちは、遅れを取り戻すための授業計画や行事のこと、また、子どもたちがコロナに感染していないか、検温や健康観察などで、あわただしくされていると思うので、あまり個々の子どもたちの様子をじっくり見る余裕がないと思います。それゆえ、スクールカウンセラーが、教室をのぞいたり、保健室を尋ねたり、校務員の人から話を聞いたりするなど自分から情報を集め、気になる子どもをリストアップして担任と情報共有するとよいでしょう。

 

 再開当初は、子どもたちはあまり落ち着かず、ざわざわして授業しづらいかもしれません。教員たちに簡単な呼吸法、筋弛緩法やマインドフルネスなどを教えてあげて、授業前など落ち着かせたいときに使えるようになると、スムーズに授業を進めることができるでしょう。

 

 学校では、コロナに対する感染予防の心理教育や、学校で発熱や咳が続くような子どもが出た場合の対応が示されると思いますが、子どもたちがそのような子どもたちをからかったり、いじめたりしないよう、排除するのではなくお互いに助け合うことを伝えてもらいましょう。

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