日本トラウマティック・ストレス学会 会長メッセージ

公開日 2024年01月16日

能登半島地震および羽田空港航空機事故において亡くなられた方々に衷心より哀悼の意を表します。被災された皆様および関係者に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を願ってやみません。

 

能登半島地震で被災された方々へのこころのケアには、膨大な課題があります。基本的なインフラの復旧に時間を要する中、被災された方々の心的負担は増すばかりです。近しい人たち、財産、コミュニティ、仕事、学校を失った喪失感と罪責感、惨状を目の当たりにした衝撃と無力感への早急な支援が求められます。持病等をお持ちの方、高齢者、子どもなど、脆弱な立場にある方々に対しては、より手厚くきめ細かなケアが行き届くことを切望しています。

 

被災者を支える人々のケアも喫緊の課題です。発災後、地元支援者たちは、自身が被災しながらも働き続けてらっしゃいます。加えて、数多くの外部支援者が現地入りし、被災者のために頑張ってらっしゃいます。このような支援者の皆様に対して、最大限の敬意を表します。一方で、災害の復興活動は年単位で続くと予想されることから、支援者の皆様に疲労が集積することを憂慮しています。持続可能な形での支援活動となることを願っております。

 

当学会では、災害支援に役立つ資料(※)を、各委員会からいち早く提供してきました。これらは、阪神・淡路大震災以降の大規模災害におけるトラウマ・ケアの蓄積、そして最新の科学的知見に基づくものです。今後も、あらゆる形での支援活動を続けていきますので、詳細はホームページをご覧ください。会員の皆様におかれましては、益々のご協力を引き続き宜しくお願い申し上げます。

 

一般社団法人日本トラウマティック・ストレス学会 会長

重村淳

 

  • 発災後に学会H Pに掲載/再掲された災害支援に役立つ資料を以下に紹介します。

【動画】

能登半島沖地震緊急企画として「心理的支援に向かう前に知っておきたいこと」をP F A/S P R認定トレーナー・兵庫県こころのケアセンターの大澤智子先生にご講義いただきyoutube動画として公開しました。

https://www.jstss.org/docs/2024011300018/

 

【バックナンバー公開】

過去の学会誌掲載の論文のうち、トラウマの心理的支援の基本的なもの、災害と遺族に関連するものを8編選び公開しました。

https://www.jstss.org/docs/2024011000017/

 

【資料】

子どもの心のケアについて、報道視聴について、救助や支援にあたる方々のための資料集など、震災関連の記事をH Pに再掲しています。また日本に住む外国人の方のための情報リンク集 (英語・簡体字・繁体字)で掲載しました。

https://www.jstss.org/docs/2024011000055/

https://www.jstss.org/docs/2024011000062/

https://www.jstss.org/docs/2024011000048/

 

 

今後も資料や記事を掲載していきますので、支援とセルフケアにお役立て下さい。

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